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島と宿の記録と案内
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: Behind the Scenes
開業から手探りの日々
2026/04/21
ホテル立ち上げからの手探りの日々
「ホテルをつくる」と一言で言っても、その実態は想像以上に泥臭いものだった。
企画書の中では順調だった工程表も、現場に立った瞬間から次々と修正を迫られることになる。
最初にぶつかった壁は、“何が正解かわからない”という不安だった。
客室の備品ひとつ、動線の取り方ひとつとっても、既存ホテルのやり方が必ずしも自分たちのコンセプトに合うわけではない。参考にした事例は数多くあったが、最終的な判断は常に自分たちに委ねられていた。
オープン準備期間は、毎日が実験の連続だった。
フロントオペレーションを想定して動いてみると、想定外のボトルネックが見つかる。清掃導線を見直せば、人手の配分やシフト設計に影響が出る。ひとつの改善が、別の課題を連れてくる。その繰り返しだった。
スタッフ採用と育成も、簡単ではなかった。
「ホテルで働く」というイメージはあっても、立ち上げ期特有のカオスな状況に戸惑う人も多い。マニュアルが完成していない中で伝えるべきことは、“正解”よりも“考え方”だった。どう判断し、どう行動するのか。その軸を共有することに時間を費やした。
オープン後もしばらくは、試行錯誤の日々が続いた。
お客様の声に一喜一憂し、想定と違う使われ方に戸惑いながらも、改善点が見えてくる。数字としての稼働率よりも、「また来ます」という一言に救われた瞬間は少なくない。
振り返れば、手探りだったからこそ得られた学びがある。
完璧な状態でスタートすることは不可能だということ。失敗を前提に、どれだけ早く修正できるかが重要だということ。そして、ホテルは建物ではなく、人と人とのやり取りで成り立っているということ。
今もなお、試行錯誤は続いている。
だが、立ち上げ期の混沌を越えた今、このホテルには確かな“らしさ”が根付き始めている。あの手探りの日々が、確実に土台になっていると感じている